【寮メシ】朝食は自社商品でタンパク質摂取…日本ハム・勇翔寮
プロ野球の若手選手たちの体作りを支える寮の食事。栄養バランス、ボリューム、品数など、あらゆる角度から計算し尽くされた“プロの料理”を随時紹介していきます。数々のスターを輩出してきた日本ハム・勇翔寮の食事とは?
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スカウティングと育成を指針とし、数々のスター選手を輩出してきた日本ハム。その秘密が千葉・鎌ケ谷の2軍施設内の勇翔寮にあり、食堂で提供される朝食にある。栄養満点の食材が並ぶ中で、ひときわ目に付く同社製品のシャウエッセン(ウインナー)やベーコン…。「中田(翔)さんと同期入団です」と話す担当11年目の管理栄養士・八巻法子さん(37)=日本ハム中央研究所=が、強みを証言する。
「私たちは肉を扱っているので、食事の中にうまく取り入れています。朝だとどうしても食欲が落ちがちだという時に、肉の加工品があると食が進むという選手が多いですね」
プロ野球選手が必要とする1日の摂取カロリーの目安は、4500~5500キロカロリー。八巻さんは「体作りに成功している選手は、朝に1200~1300キロカロリーくらい食べています」と説明する。食堂ではシャウエッセンに加えて、ヨーグルトやチーズなど同社製の多数の商品を陳列。脂肪分に変わりやすい夕食と比べて、不足しがちなタンパク質など多くの栄養素を朝食で摂取することで、未来に向けた体作りは加速する。
新入団選手が入寮直後の1月に講習会を開き、朝食の重要性を先輩選手の好例を示してレクチャー。その後は毎日、バイキングで自分が選んだ朝昼晩3食の写真を八巻さんに送ることを義務づけている。「必要量に対して今どのくらい取れているのか。どんどん減りがちなので、指導します」。日々の写真を元に栄養検査を実施し、毎月、鎌ケ谷での面談で選手にフィードバックしている。
「清宮選手と宮台選手は食べ方がきれいですね。バランスよく選んでいます。子どもたちの手本となる食事の取り方をしています」と八巻さん。摂取量の割合は炭水化物50%、脂質30%、タンパク質20%が理想型だ。
ダルビッシュ、大谷とスターの系譜をたどれば、見えてくるものがある。眠い目をこすりながら食べるその食材が、超一流の道を歩む上でのスタートだ。