プロ野球の若手選手たちの体作りを支える寮の食事。栄養バランス、ボリューム、品数など、あらゆる角度から計算し尽くされた“プロの料理”を随時紹介していきます。数々のスターを輩出してきたＤｅＮＡ・青星寮の食事とは？

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　若い力の台頭が際立つＤｅＮＡ。躍進を支える青星寮は食事面でも選手の「自立」がテーマだ。自身の摂取する栄養に対して知識、理解を深められるような試みがされている。

　管理栄養士の鈴木里美さんは「５つの食事をそろえることが合言葉です。主食、おかず、野菜、果物、乳製品。栄養指導でもそこが伝わるように指導しています」と話す。

　指導方法も特徴的。青星寮では３人の管理栄養士と１人の栄養士が献立作成から料理提供までを行う。そして食事を取る選手をチェックし、日々の変化にも気を配っている。

　「毎日の様子を観察できるので、そういう時に声を掛けます。コミュニケーションを取る中で（体作りなどを）こうしたいという話を聞き、アドバイスすることが多いです」

　普段の食事風景の中で自然と知識を入れ、意識を高めていくという方法だ。「遠征先ではバイキング形式の食事も多い。その時に何をどれぐらい食べたら良いのかを理解していることが大事なんです」。自らが正しい食事を選ぶ。その力を養う工夫がなされている。

　料理を食べてもらう工夫も多彩だ。野菜が苦手な選手はスープや鍋で摂取し、すりおろした高野豆腐をハンバーグに混ぜてカルシウムを強化。選手の“流行”にも気を配り「数年前より和食が好きな寮生が多い。そうなると、慣れている和食を出した方が食べてもらえるんです」という。

　大事にするのは食の楽しさ。無理に知識を詰めても、量を食べても“栄養”にはならない。それは小中高生の野球選手を持つ家庭でも生きる考え方だ。

　「食べることが楽しくなるメニューを意識してほしいですね。選手も幼少期からの食習慣が色濃く反映されている。食べられないものも、うまく工夫して食べられるようにサポートしてあげることも大事です」。チームカラーにも似た食生活が、未来のスターを作るヒントとなる。