元フジテレビ・田中大貴アナ ムネリンの魂が宿る言葉「イッツオールアバウトソウル」

 プロ野球界に幅広い人脈を持つ元フジテレビ・田中大貴アナが人気選手の隠れた一面を同アナの視点で紹介していきます。今回登場するのは川崎宗則氏(前ソフトバンク)です。

  ◇  ◇

 「ムネ、チェスト!」

 「大貴君、オールアバウトソウル!チェスト!」

 このやり取りを、この数年間で何度も繰り返してきました。

 「ムネ君、チェストはさあ行こう!て意味で浸透してるけど、オールアバウトソウルてどういう意味?」

 「胸に手を当てて、そう、全ては気持ち、考え方次第だよ!ていう意味です。いいフレーズでしょ!」

 川崎宗則、37歳。インタビューに行くのが、取材に行くのが、楽しくて仕方がない選手でした。想像を絶するパワーを僕らが頂いて帰ってきました。まさに生きるパワースポット!!会うと拝みたくなるような輝きを放つ人間です。

 何度も密着取材をする中で、色んな“ムネリンエピソード”を教えてくれました。

 「野球て面白いんですよ。僕、中学の時、はじめレギュラーじゃなくバット引きだったんです。でも、ただバット引きをしてるだけじゃ意味ないから、鹿児島一のバット引きになってやろうと思って、猛ダッシュでバット目掛けて走って、ベンチに持って帰ってました。あれで足が速くなりました。考え方で変わるんですよ」

 「野球があればどこにでも行きます。3Aはスパニッシュ系が多いからスペイン語の単語集を買いました。トロントはフランス語も話すやつらが多いからフランス語本も今度買おうと思います。気持ちがあれば野球を通して言葉を覚えられる。野球て素晴らしい!」

 彼の話はその場で大爆笑するも、あとで振り返ると人生の参考になるような魂が宿る言葉ばかりでした。

 1年のブランクを経て、今、驚くほどの身体のキレを見せているそうです。野球が大好きで、野球が面白くて、野球があればどこにでも行く男。中学時代、補欠でも鹿児島イチのバット引きを目指したような男です。だから川崎宗則らしく、私たちには思いもつかないような形で戻って来てくれるはずです。

 イッツオールアバウトソウル-。選手が今の自分を超えられる気持ち、魂が宿った時がその瞬間だと思います。それまで、僕はゆっくりと待ちたいと思います。ムネリン、チェストやで!!

 ◆田中 大貴(たなか・だいき)1980年4月28日生まれ、38歳。兵庫県小野市出身。小野高から慶大に進学し、硬式野球部では02年春の東京六大学リーグで本塁打王のタイトルを獲得するなど、スラッガーとして脚光を浴びた。03年フジテレビ入社。レギュラーとして朝の情報番組『とくダネ』など多数に出演。プロ野球界をはじめ、各界に幅広い交友関係を持つ。18年4月に退社し、現在はスポーツアンカーとして活躍中。

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