ストーブリーグも大詰め 広島の4連覇に待ったをかけるのは…【セ・リーグ編】
プロ野球のストーブリーグも大詰めを迎え、各チームの陣容もほぼ固まってきた。
広島の4連覇に待ったをかけるべく、積極的に大物補強を進めたのが巨人だ。野手は広島からFA宣言した丸が加入。坂本、岡本とともに計算できる打線の軸が固まった。5番候補として今季メジャー20発のビヤヌエバ、勝負強いオリックスの中島も入団。総得点リーグ3位だった今季を上回る、攻撃力が期待できそうだ。
リーグトップの投手陣にも実績のある岩隈、新守護神候補のクックが加入。西武からFAの炭谷も加わり、バッテリーを強化した。リリーフ陣に安定感が増せば、覇権奪回も見えてくる。
最下位から巻き返しを図る阪神も、巨人に負けじと大物の補強に成功した。FA市場でオリックスから西、中日を自由契約となった13勝左腕ガルシアを獲得した。
助っ人ではリリーフ右腕のジョンソン、打線は4番候補としてメジャー通算30本塁打のマルテも加入。来季はエースのメッセンジャーが日本人扱いとなるアドバンテージもあり、助っ人勢の活躍次第で上位進出の道が開ける。
2位・ヤクルトは、投手陣の厚みが増した。ソフトバンクを戦力外となった寺原、五十嵐のベテランコンビが加入。助っ人も剛腕マクガフとスアレスの2投手を獲得した。
今季は守護神石山を中心に近藤、風張、中尾らが奮闘したが、リリーフ陣の層は薄く、弱点を徹底的に強化。秋吉との交換トレードで日本ハムから加わった高梨は、先発の一角として活躍が期待される。
4位・DeNAと5位・中日は、ここまで目立った補強は見られない。DeNAは右のユーティリティーとして巨人を戦力外となった中井、左の中継ぎとしてBC富山から古村を獲得。ウィーランドが退団したが、先発陣は今永、浜口、石田ら今季不調組の巻き返しに期待することになりそうだ。
中日は勝ち頭のガルシアが抜けたのは痛いが、左の速球派であるロメロが加入。助っ人の発掘に定評がある森SDの評価も高い。与田監督のもと、ドラフト1位・根尾ら若手育成にも重きを置くシーズンとなりそうだ。
最後に王者の広島。4連覇へ、今季安定感を欠いた投手陣の強化を図った。中継ぎ左腕のカイル・レグナルト投手、先発タイプの右腕ケーシー・ローレンス投手を獲得した。
ジャクソンが退団したが、シーズン途中に加入した変則右腕ヘルウェグがポストシーズンで活躍。リリーフとして計算できる存在となったことで、来季もフランスア、中崎で形成する勝ちパターンの安定感はリーグトップクラスといえそうだ。
野手陣は、丸が抜けて攻撃力低下の危機。ただ、外野のレギュラー定着を狙う西川もフルシーズンでどこまで成績を残すのか、楽しみな逸材。今季25発のバティスタ、潜在能力を秘めたメヒアが爆発すれば、4連覇の可能性もグッと高まりそうだ。