元フジテレビ・田中大貴アナ 次に160キロ投げるのはオリックス・山本

 プロ野球界に幅広い人脈を持つ元フジテレビ・田中大貴アナが人気選手の隠れた一面を同アナの視点で紹介していきます。今回登場するのはオリックス・山本由伸投手です。

  ◇  ◇

 野球ファンの皆さんは、今年最後の一日はどんなことを想像しながら過ごされているでしょうか?ほんま、あっという間ですね。さて、今年最後の連載は夢のある話にしようと思います。

 「次に160キロを投げる投手は誰ですか?」と聞かれたら、皆さんは誰の名前を挙げるでしょうか?

 菊池雄星投手、千賀投手ら、150キロオーバーの真っすぐを投げる投手は近代野球では本当に多くなりました。僕がこの質問をされたら間違いなく「オリックス・山本由伸」という名前を叫びたいと思います。

 由伸…まず名前が気になりますがな。山本投手が生まれた年に巨人入団したばかりの高橋由伸さんが活躍していたことから、この名前が付けられました。

 そして今夏、京セラドームで実況をさせていただいた時、衝撃が走りました。エゲつないボールを投げよるんですよ、ほんまに。

 小柄な体から、150キロ中盤の快速球をバンバン投げ込む当時まだ19歳…実況中、心の中で「エゲつないやろ」を何度も連呼していました。度々、出そうになる「エゲつない」という表現を「ものすごい」という言葉に変換して実況を続けました。

 先日、オリックスさんから2019年のイヤーブック出演のお話をいただき、対談の相手に山本投手をお願いしました。いや~、オモロい子でした。

 試合前の練習はやり投げの練習を取り入れてはる。グラブは人さし指じゃなく、中指を出してはめてはる…まさに独特。やり投げの原理からヒントを得たフォーム。投球時、真っすぐ前に出した左手は中央の指、つまり中指が大切ということで、意識を置くために中指をグラブから出すことにしたそうです。

 インタビューの最後に「160キロは近いうちに投げられると思います」と真顔で語った山本投手。日本シリーズで、あの衣笠祥雄さんが「ボールが見えなかった」と表現した阪急の伝説の怪腕・山口高志の再来。伝説が繰り返されるとすれば、日本シリーズで山本由伸が快投を披露するはず!

 そんな妄想をする2018年の大みそか。さあ、2019年、猛牛軍団が青き波に乗っていきまっせ!!

 ◆田中 大貴(たなか・だいき)1980年4月28日生まれ、38歳。兵庫県小野市出身。小野高から慶大に進学し、硬式野球部では02年春の東京六大学リーグで本塁打王のタイトルを獲得するなど、スラッガーとして脚光を浴びた。03年フジテレビ入社。レギュラーとして朝の情報番組『とくダネ』など多数に出演。プロ野球界をはじめ、各界に幅広い交友関係を持つ。18年4月に退社し、現在はスポーツアンカーとして活躍中。

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