元オリックス塚田、戦力外で結婚延期 清掃員の婚約者「こんなに残酷とは…」
元オリックスの塚田貴之投手が、30日放送のTBS系「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」に出演した。
15年の育成ドラフトでプロ入り。支配下登録も勝ち取ったが、17年オフに戦力外通告を受けた。オフに婚約者ほのかさん(24)と結婚予定だったが、延期となった。
球団からの通告に、「クビにならなかったら間違いなく結婚していた」と塚田。ほのかさんは「こんな残酷な世界とは思わんかった。2年で終わるって本当に思ってなかった。もっと続くと思ってた」と、正直な思いも口にした。
そんな婚約者の思いも背負って塚田はNPBでの再起を誓い、今季はBCリーグ福井でプレー。26試合に登板した。
今年こその思いで、トライアウトを2年連続で受験。だが、制球が定まらず、打者3人に2四球。大暴投を投げてしまうなど、力を全く出し切れなかった。マウンドでぼう然と立ち尽くす塚田の姿に、ほのかさんは「1年間、一緒にもう一回プロを目指して今日まで頑張ってきたので悔しいです…」と、涙が止まらなかった。
ふたりに直面する厳しい現実も明かされた。独立リーグでの月給は手取りで13万7660円。支払いは4月~9月までのシーズン期間のみだった。ほのかさんは、ショッピングセンターの清掃員として週5日、フルタイムで勤務。アルバイト採用から正社員になり、月収は17万円。「生活が苦しいなっていうのがあって…あまり仕事を選んでいる状況じゃなかった」と胸の内を明かした。
こうした境遇にいるだけに、トライアウトでの投球にショックは大きい。今年もNPBからのオファーはなし。現実は厳しいが、塚田は来季も福井に残留することを決めた。「NPBに戻りたいは戻りたい。あと1年。そこまで」と塚田。ほのかさんも「ここで終わったら後悔が残る。まだまだできると思うので、がんばってほしい」と、支えていくことを誓った。二人三脚の挑戦は続いていく。