巨人 悩ましかった長野の起用法「断腸の思い」でプロテクト外
巨人は7日、FAで加入した丸佳浩外野手の人的補償として、長野久義外野手が広島に移籍することを発表した。
西武へ移籍した内海哲也投手に続く、生え抜きスター選手の流出。チーム内だけでなく、球界に衝撃が走った。若手を優先して固めた28人のプロテクト。長野は年齢が34歳でベテランの域に差し掛かっており、推定年俸も高額の2億超。総合的な判断でリストから外れたもようだ。
長野は10年に新人王、11年には首位打者。実績は申し分なく、その能力は間違いなくトップクラスといえるだろう。ただ、14年オフに右膝を手術して以降は成績が伸び悩み、3割に到達したシーズンはなし。不調ぶりを心配され、15年には異例ともいえる視力検査が行われたほどだった。“チームの顔”として、期待値のハードルは高く、球団が近年の長野にもどかしさを抱えていたのは確かだった。
チームを悩ませていたのが、好不調の波の激しさ。典型的なスロースターで3、4月の成績は17年が打率・177、0本塁打、1打点。18年は打率・239、1本塁打、7打点。簡単に外せない存在なだけに昨季、首脳陣のひとりが「もうちょっと長野がやってくれないと困る」と、漏らしたこともあった。
とはいえ、内海に続き、生え抜きスターが流出した事実は重い。ファンを含め、さまざまな方面から賛否の声が巻き起こるのは必至だ。石井球団社長は「チームの変革の時期とは言え、内海選手に続き、チームの顔として活躍してくれた長野選手を送り出すのは、断腸の思いです」とコメントしたが、結果でファンを納得させるしかない。