大阪桐蔭・西谷監督が語る 巨人ドラ4横川凱「もっともっと、できる子。大器晩成」
大阪桐蔭は昨年、史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を果たした。中心となった柿木蓮投手(18)、横川凱投手(18)、根尾昂内野手(18)、藤原恭大外野手(18)は昨秋のプロ野球ドラフト会議で夢を叶えた。西谷浩一監督(49)がキャンプに備えて自主トレに励んでいる4人へのエールや、思い出を語った。4回目は巨人4位・横川。
-横川は中学時代にかなり高い評価だったと聞いた。
「中学のポテンシャルで言うと、うちでエースになっておかないといけないですね。身長が190センチありますからね。みんな育てたい選手ですけど、その中でも育てたい左投手でした。なかなかいる素材じゃないので。(OBの阪神)藤浪じゃないですけど。まして、左なので」
-甲子園では結果を残せなかった。3年間での成長は。
「まだ殻を破れていないですね。大きなくくりで言うと、ずっと成長しているんですけど、僕らの期待が高いので。いい加減とかは全くないし、勉強もできる。ただ、マイペースなので。柿木と好対照です。柿木には『おらー』っていけるけど、横川は『(練習で)投げるか?』と聞くと、『いや、ちょっと…。また明日』みたいな。『投げへんのかい!』って。大成したら投手として、いい性格なんでしょうけどね」
-横川が2年夏の甲子園前に、練習の姿勢を見て怒鳴った時があった。
「よくありますよ。なかなか、力が出し切れないところがあったので。練習は本当に付きっ切りでよくやりました。僕らからしたら、歯がゆい時間が長かったですね。もっともっと、できる子なので。17年のセンバツで静岡戦(※1)がありましたけど、あんな大切な試合で(2年だった)横川を先発させているんですから。(3年生エースの)徳山の次に先発させているわけでしょう?その時点で言えば、この学年で柿木ではなく、横川で行っている。こちらとしてはそういう期待も込めた状況でした」
-高校では不完全燃焼だったが、進路はプロに絞った。
「うちに来てプロへ行きたい、とずっと言っていましたが、(18年の)センバツ後に進路を考えようと言った時でした。半ばふてくされたような感じで『大学や社会人で…』みたいに言ったので、めちゃくちゃ怒った記憶があります」
-本人に迷いがあったのか。
「『自分の中で大学や社会人に行って、プロに入るって描けてないやろ?今のまま志望届けを出したら結果も出ていないのに…って言われるのが嫌で、じゃあ大学ってことやろ?』と聞くと『はい』って。『失礼なことを言うな!そんなんだったら、大学も社会人もやめとけ!本当にプロ行きたいなら勝負しろ』って言いました」
-いったんはプロを諦めかけたのか。
「ご両親も交えて何度も話をして、最後にもう一回ちゃんと話をしようと言ったら『どんなことがあってもプロで挑戦したい』って言うので。『それがダメだったらダメで、俺が次のことは考える』と伝えたんです。(誘いを受けていた)大学も断って。そこらで覚悟は決まったんじゃないですかね」
-そこで吹っ切れた?
「プロに挑戦したい気持ちがあるのに、それに嘘をついて大学って言い出した時に比べれば。夏が終わってから状態はいいですよ。国体もよかったですし。遅いですね(笑)」
-プロでの期待は。
「内面の強さは持っているんですが、時間はかかるかもしれません。まして、巨人ですから。でも、藤浪じゃないけど身長が大きい分、これからだと思います。大器晩成であってほしいですね」
※17年センバツ2回戦。大阪桐蔭は静岡と対戦し、先発・横川は1/3回5失点で降板。