中日・松坂が「次元が違った」と認めた天才投手 突然野球を辞めた理由を告白
中日・松坂大輔投手が、13日放送のTBS系「消えた天才」に出演。幼少時代に唯一「自分よりうまい」と、衝撃を受けた投手の存在を明かした。
その人物は松坂が小学校6年時に在籍していた江戸川南リトルで、エースとして活躍していた江刺徳男さん。長身を生かした角度ある直球は松坂より速く、チームを全国制覇へ導いた。
松坂は全国大会に5番・右翼で出場。当時の江刺さんの実力について「彼は世界で5本の指に入る投手だった。同い年でこんな奴がいたんだと衝撃を受けました。次元が違いました」と振り返った。
日本代表でもエースに選出され、将来有望な選手としてテレビにも出演。大きな注目を浴びていた。だが、突然、中学2年で野球を辞めてしまったという。松坂は「何も伝えられず、急にいなくなったことがショックだった」と話し、番組ではその理由とその後の人生について明かされた。
番組に出演した江刺さんによると、幼少期に両親が離婚。女手ひとつで育てられていたが、生活は貧しかったという。働きづめの母親の姿に、江刺さんは中学2年で「親を楽にさせたい。野球より母を優先させたい」と決断。松坂ら仲間には理由を伝えることなく、姿を消したという。
「メンバーには言わなかった。言えなかった。みんな頑張っているのに、自分が抜けるのが申し訳なかった」と江刺さん。高校には進学せず、天才投手の野球人生は終わった。
18歳で結婚し、一児の父親に。離婚も経験してどん底の人生を歩んだというが、今は野球をしているひとり息子の存在を励みに生きているという。建築金物工の会社に勤務している江刺さんは、「これからもかっこいいパパでいたい」と話していた。