DeNA・筒香、大阪で野球体験会 勝利至上主義の指導者に理解求める
DeNA・筒香嘉智外野手(27)が14日、大阪府堺市で「堺ビッグボーイズ小学部 アグレシーボ体験会2019」に参加。野球チームに所属していない子供たちを対象に、野球の楽しさを存分に伝えた一方、現役プロ野球選手として今年もスポーツ界に警鐘を鳴らした。
筒香本人がバットを持ち、“実演”が始まると子供たちは大興奮。「北海道まで飛ばして!」と声援を送られる中、ソフトボールを次々と外野ネットの向こうへ運び、一流プロ野球選手のすごさを間近で伝えた。
ホームベースからでんぐり返りをして、二塁ベース付近まで走るメニューが行われた際には、でんぐり返りができなかった子供を優しくフォロー。背中をゆっくりと押してあげながら、走り切るまで付き添う姿も見られた。
今年で3回目を迎えるアグレシーボ体験会。「昨年は、スポーツ界でよくないニュースが取りざたされました」と表情を曇らす。「アメリカンフットボールの悪質なタックルや、ボクシング、体操など、よくない問題点が浮き彫りになりました。これも偶然ではなく、スポーツ界全体が変わらないといけないと感じます」。
自主トレと並行し、野球界の未来を担う子供たちのために行動しているハマの主砲。先日、ある少年野球チームを見学したところ、「そこでは指導者の方が、指導というよりは暴言、罵声、事細かい指示が行われていました。子供たちはできないのが当たり前なのに、なぜそれに腹を立てて怒っているのか。大人が中心になっているのではないか」と感じたと言う。勝利至上主義によって、子供たちが犠牲になっていると考えている。
常に勝つことを優先することで、精神面だけではなく「厳しく長い練習時間や過密な試合日程」と、肉体面での負担も大きい。「実際に行ってみないと分からないこともあると思う」と、野球少年少女がプレーするグラウンドに赴き、保護者や関係者に話を聞いた上での主張だ。
野球人口の減少が叫ばれる今、野球教室や野球体験会によって裾野を広げようと尽力する人々は多い。だが、「大人のみなさんが理解して、子供たちを守るということをしていかないと、野球界は変わっていかないと思います」と切実な思いを口にした。