【野球】広島・白浜 勝負の16年目へ決意「駄目だったらクビの覚悟で」
広島・白浜裕太捕手(33)が、背水の覚悟を持ってプロ16年目のシーズンに臨む。現在大野練習場で合同自主トレに参加しているベテランは「1年1年勝負。今年1年駄目だったらクビの覚悟で」と口元を結び、「外からまくってやろうと思っています」と、2019年の誓いを立てた。見据えるのは2年ぶりの1軍の舞台だ。
2003年度のドラフト1位で入団。1軍昇格と2軍降格を繰り返す年が続いていたが、昨季は8年ぶりに1軍出場なしに終わった。ウエスタン・リーグでも10試合の出場にとどまり、6打席のみ。「若い子もいる」と受け止めつつ「(2軍で)出ないことには1軍にも上がれない」と、まずは2軍で存在感を示していくことが必要不可欠だ。
昨季捕手ではレギュラーの会沢に石原、磯村、坂倉、船越が1軍出場。そこへ割って入るために、白浜がポイントに挙げるのが打撃面の強化だ。「アツ(会沢)も打てる。割って入るなら打てた方がいい。ある程度守れるとは思っているので、打つ方で可能性を広げられれば」と打力アップに励む。
由宇球場で汗を流した昨秋の2軍キャンプ。連日、実戦形式で打撃練習を行った。今までは考えすぎることで「受けがちになっていた」と語る。その反省から「仕掛けていかないと。突っ込むまではいかないけど」と体重移動を意識する中で好感覚が生まれた。「今までにない感覚。春やシーズンに入って結果が出れば良かったと思いたい」と継続して磨きを掛けていく。
周囲では、広陵時代にバッテリーを組んだ西村健太朗氏(巨人)や城所龍磨氏(ソフトバンク)の同学年が昨季限りで現役引退。他にも年齢の近い数々の選手が身を退いた。自身は「この年になっても(現役を)やっているとは思っていなかった。辞めた方には『1年でも長く』と言っていただいているし、自分も1年でも長くと必死にやっている。身が引き締まる思いです」と決意を新たにした。
年齢を重ねるとともに体の変化も感じている。「練習だけで体が張ることもある。下半身は重要」と、このオフは股関節や尻周りのトレーニングも重点的に行い、己の体と向き合う。昨年とはひと味違った姿を示すべく、愚直に日々時を刻んでいく。(デイリースポーツ・田中 哲)