ヤクルト新助っ人スアレス、規律“海軍仕込み” 軍人の父から礼儀学んだ
キャンプも序盤を終え、新戦力もベールを脱ぎ始めた。各球団に今季加入した外国人選手を「新助っ人襲来」と題して紹介する。第1回はヤクルトのアルバート・スアレス投手(29)が登場。ベネズエラ出身で190センチ、106キロの巨漢右腕は、穏やかな笑顔が印象的なナイスガイ。一方で“海軍仕込み”の規律も兼ね備えている。
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◆生まれ 1989年10月8日、ベネズエラ共和国サン・フェリックス出身。東部の地方都市で家のある場所は「田舎だよ」
◆巨漢 足のサイズは32センチ。太ももや尻回りも巨大で、今キャンプで最初に用意された2XLのパンツは入らず、4XLでも微妙。結局、最大サイズの6XLを再注文。
◆何でもよく食べた 栄養豊富でスーパーフードと称されるユカ(キャッサバ芋)を毎日のように食べて育つ。故郷ではバファロー(水牛)が食卓に上がることも。「農場をやっている人は食べるんだ。柔らかいよ」。水牛パワーが剛球の源かも。
◆あだ名 「チグイレ」。ベネズエラでのカピバラの呼称。「父のあだ名で、僕は最初『小さいチグイレ』と呼ばれていた。大きくなっちゃったね」。他のあだ名は「ビッグ・アル」(体格とファーストネームから)
◆二刀流!? 物心つく頃からボクシングを習う。野球を始めたのは6歳。8歳の時に母・ラウラさんに「やめて」と言われ、野球一本に。ボクシングの腕前は「ストリートでは負けないかな」(笑い)
◆“海軍仕込み” 父・ホセさんは海軍の軍人。礼儀や時間には特に厳しくしつけられた。「家では『イエッサー』しか言えなかったよ(笑い)」。時間におおらかなラテン系のイメージと違い、今キャンプでも10分~15分前にきっちり行動。09年に自動車事故で他界した父には「厳しかったけど、すごく誠実だった。僕も野球選手じゃなかったら、海軍に入っていたかな」と感謝と尊敬のみ。
◆ピンポン得意 趣味は卓球とビリヤード、ビデオゲーム。「家に卓球台とビリヤード台があるんだ」
◆家族の絆 5人兄弟の一番年上。2歳下の弟・ロベルトはソフトバンク所属。「ライバルではなく、アドバイスしたり、いつも助け合う存在さ」
◆少年野球がメジャーへの扉に 6歳で野球を始めたチームのオーナーだったマリオ・ゴンサレス氏が、後にタンパベイ・レイズのスカウトに。「17歳の時『米国に行くか』と誘われたんだ」。不思議な縁にも感謝。