オリックス田嶋が8カ月ぶりブルペン 復帰へ着々「一歩は踏み出せた」
「オリックス春季キャンプ」(8日、宮崎)
オリックスの田嶋大樹投手(22)が左肘の張りを発症した昨年6月以来のブルペン入りを果たした。約8カ月にわたるリハビリの末、昨年のドラ1左腕が復帰への一歩を記した。
感触は確かだった。捕手を立たせたままながら気持ちよさそうにボールを投げ込んでいく。「(状態は)すごくいい」。投じたのは直球のみで22球。「(力の入れ具合は)7割くらいです」。田嶋が自らの復帰への兆しを見て取った。
ようやくマウンドにたどり着いた。「試合で投げたわけではないので、まだ楽しいという感情は出ていません。でも一歩は踏み出せたので」。実戦で登板できない現状に満足はない。ただ、ブルペンに入れたことで一定の手応えを感じていることも確かだった。
昨季は新人ながら開幕ローテに入り12試合で6勝3敗、防御率4・06。一時は新人王候補に挙げられる活躍を見せたが、6月27日に症状を訴えて登録抹消。それ以降、ブルペンからは遠ざかっていた。
だからこそ、今後も慎重に進んでほしい。この日の田嶋のブルペン入りに西村監督は「立ち投げでも投げられるようになってね」と、ここまでのリハビリ過程を評価。同時に「あせらせるということはやめておかないと」と、昨年の二の舞いを演じないよう万全を期してほしい考えだ。
本人もしっかりと今後の見通しを定めている。まずは9日に患部の状態を見て、問題なければ10日に再びブルペンで立ち投げを行う考え。捕手を座らせての投球は13日からの第3クールを予定している。
急がずとも着実に歩みを進めていけばいい。「今年はゆっくり行くと決めていますので」と田嶋。あえて実戦復帰のめどは立てない。この日はランニングなどでも汗を流した。「(復帰してからのシーズンを)投げきれるように。フィジカルも使っていかないと」。乗り越えた苦しい日々を必ず復帰星につながっていく。