【キャンプ飯】DeNAファーム宿舎、沖縄の郷土料理&食べ慣れたもの
プロ野球選手の体作りを支える食事。シーズン中と同様、キャンプ中もさまざまな工夫が凝らされている。DeNAのファーム宿舎では、球団のトレーナーとホテル関係者の連携により、計算し尽くされた料理が用意されている。
◇ ◇
将来性豊かな若手が数多くいるDeNAのファーム。次代のスターたちの肉体を支え、作り上げることにも尽力するのが渡辺雄太トレーナー(34)だ。キャンプ中の食事は、横須賀の「青星寮」で提供されるものとは少し異なってくると言う。
まずは地産地消だ。「沖縄なので、沖縄料理。ゴーヤーチャンプル、そーめんチャンプル、沖縄のスープ(中身汁)など、あまり横浜で食べられないようなものを出してもらっている」と栄養価の高い郷土料理で選手の胃袋を満たす。ただ、「それだけだと選手も普段、食べ慣れてないものだから、それも交ぜつつ、寮で出す時のものも出してもらえるようにしています」と気遣いを忘れない。
その根底には「食事ってすごく大事なことだから、選手がなるべくストレスが掛からないように」との思いがある。きめ細やかな心配りはそれだけではなく、ドレッシングは普段、寮で使用しているものを用意。食事面で大きな変化が生じないように、工夫を凝らしている。
アスリートにとって食事もトレーニングの一環だ。さまざまな栄養素をよりバランスよく摂取できるよう、自作のポップ(説明表)を作成。「例えば疲労回復、スタミナアップ、風邪予防、選手がこれを食べたらこれに効くんだなというのが分かるように、料理の前にポップを貼るように工夫しています」。その情報を基に、選手らがそれぞれ口に運ぶものを決めるというわけだ。
当然、肉体強化のためには食べる量も重要。「1、2、3年目までの選手は特にしっかりと管理しています」。特に新人の3人(ドラフト2位・伊藤裕、同4位・勝又、同5位・益子)は驚くくらいの量を食べると言う。
益子は「口から入れるものは大事なんで。5大栄養素をしっかり取っています」と食トレに励んでいる。昨夏に高校の野球部を引退してから91キロまで太り入寮までに6キロ減量。「そこから3キロ増えました」と現在は88キロで、脂肪ではなく、筋肉量で体重が増えたと実感している。ハードな練習が続く春季キャンプ。渡辺トレーナーの創意工夫が選手らの体を支えている。