巨人・原監督の言葉から浮かぶカープアレルギー払しょくのカギ
6日にマツダスタジアムで開催予定だったオープン戦「広島-巨人」は雨のため、中止が決定した。
3月29日の開幕戦(マツダスタジアム)でも激突する両チームの戦い。開幕前哨戦として注目されたが、5日の第1Rは4-1で広島が勝利した。
4連覇を狙う王者・広島と、その広島から加入した丸を含めて大型補強を敢行した巨人は、リーグの“2強”とも目されている。ただ、両チームの戦いは巨人から見て昨季7勝17敗1分け、一昨年は7勝18敗。巨人にとってはカープアレルギーを取り除かない限り、V奪回は望めないだろう。
昨季、チーム関係者が「雰囲気でやられてしまっているようなところもある」と漏らしていたように、データからは巨人が広島に対して苦手意識を抱えていることが浮かび上がる。
昨季、巨人から見た対戦防御率はリーグワーストの5・24。顕著なのが与四死球の数で、トータル(406個)の4分の1に当たる103個を広島戦で記録している。強力カープ打線は選球眼の優れた選手がそろっているとはいえ、2番目のヤクルト打線に与えた数は75個でその差は大きい。
4年ぶりに現場復帰した原監督は5日の試合前、「一番いけないのは逃げること。攻める、試すという2つのワードが必要」と語った。強打のカープ打線を過剰に意識するあまり、四死球でピンチを招いて自らの首を絞めていたのが昨季までの姿。そうした観点から見れば5日の試合で山口、坂本工、戸根の3投手がストライクゾーンで勝負し、与四死球が2個だけだったのは“収穫”といえるかもしれない。
原監督は4年ぶりに対戦した広島の強さについて「(相手は)少ないチャンスをものにする、ああいう場面で長打が出るというのはね。壁はかなり高いなという感じですね」と、語った。その言葉にどれだけの本音が含まれているか。本気モードとなった両チームの戦いは今季、熱く盛り上がりそうだ。