オリックス・杉本、“師匠”イチローへ捧げるサヨナラ弾「思うところはありました」
「オープン戦、オリックス3-2阪神」(22日、京セラドーム大阪)
オリックス・杉本が劇的な代打サヨナラ弾で試合を決めた。「(人生で)初めてです」と興奮気味に振り返る一発。引退を表明したマリナーズ・イチローと共に自主トレで汗を流した男が“師匠”へ捧げるアーチとなった。
場面は2-2の同点で迎えた九回2死。阪神5番手・飯田がフルカウントから投じてきた低めのスライダーをフルスイング。「監督にも狙っていけと。うまいこと打てました」。心地よい打球音を残した打球は左翼席へ吸い込まれるサヨナラ本塁打となった。
「イチローさんの引退試合と引退会見を見て思うところはありました。3年くらい自主トレで一緒にやらせてもらったこととか。今年のオフはできなかったですが」
新人だった16年1月、神戸で自主トレしていたイチローから練習パートナーに指名された。それからのオフの自主トレでは、一流の練習を間近にし肥やしにしてきた。「打つ姿、投げる姿。野球のプレーが印象に残っています。とてもレベルが高い」。メジャーでも数々の記録を打ち立てたイチローの野球に対する姿勢は、自分の活力にもなった。
背水の覚悟だった。「最近、打ててなくて。ラストチャンス、引退試合(のつもり)で」。前の試合までで、8打席連続で安打から遠ざかっていた。師匠が引退を表明した翌日に見せたアーチを今季の活躍につなげたい。