津田学園・前川夏輝外野手にしか振れない超重量バット 夏へ“金棒”で鍛え直す
“左キラー”と自負するパフォーマンスを発揮できなかった。津田学園の4番・前川夏輝内野手(3年)は、龍谷大平安の左腕エース・野沢の前に3打数無安打1三振。「(エースの前)佑囲斗が粘ってくれたので、野手陣が打たないと」。主砲として敗退の責任を背負った。
昨秋の東海大会で3試合連続本塁打と、好調を支えたのが3キロの超重量バットだ。新チーム結成後に竹内啓部長(34)が用意したもので、使っているのは前川だけ。振ればズシリとくる代物でリストが強化され、「公式戦でも(普通のバットが)軽く感じる」と気に入った。
打撃練習では「その日その日によって目標を変えて打ち分けてきた」と技術を高めた。毎日6時30分から約1時間、朝練にも励む。聖地で戦う相手エースが左腕と分かると、「打つイメージはできている。左は苦ではない。むしろ好き」と宣言。キーマンは自分だと誰よりもバットを振って臨んだが、快音は響かせられなかった。
延長11回の戦いは2時間11分で終わり「あっという間」と達成感はない。「夏は自分が引っ張って、チームのために1本打ちたい。リベンジしたいです」。夏の聖地で悲願の校歌を響かせるために、前川にしか振れない“金棒”で鍛え直す。