津田学園・前 170球力尽く…延長十一回に続投志願も決勝打浴びる
「選抜高校野球・1回戦、龍谷大平安2-0津田学園」(25日、甲子園球場)
1回戦3試合が行われ、山梨学院が大会最多タイの24安打、戦後最多の24得点で札幌第一に大勝。“山梨のデスパイネ”の異名を持つプロ注目の3番・野村健太外野手(3年)が、大会タイ記録の1試合2本塁打を含む3安打5打点の活躍で記録的猛攻を呼び込んだ。龍谷大平安は延長十一回の激闘を制して津田学園を撃破。盛岡大付は延長十一回サヨナラで石岡一を下した。
抑えきれなかった。0-0の延長十一回1死一、二塁。津田学園の前佑囲斗投手(3年)が投じた164球目は真ん中高めに浮く。ついに許した適時二塁打が決勝打に。「最後で粘ることができなかった」と唇をかみしめた。
六回あたりからボールを握る右手の親指、人さし指、中指といずれもけいれん気味になった。それでも低めに制球し凡打を積み重ねた。延長十一回にベンチは交代を考えたが、右腕は続投を志願。170球の熱投に佐川竜朗監督(40)は「投げ抜いたことに感謝している」とたたえた。
1年秋から毎晩1・2キロの白米を食べ続ける。68キロだった体重は今や87キロに増加。球速は20キロアップし最速148キロになった。「延長を投げきる体力をつけて夏、戻ってきたい」。エースは顔を上げて再出発を誓った。