後を絶たないサイン盗み疑惑、実際にはどんな手段?選抜高校野球で波紋
「選抜高校野球・2回戦、習志野3-1星稜」(28日、甲子園球場)
ロースコアの好ゲームとなったが、試合後に異例の展開が待っていた。星稜・林和成監督が「二塁走者が(打者に向けて)サインを出していた。最初から最後までずっと」と、習志野のサイン盗み疑惑を主張。習志野の控え室に抗議する事態となった。
2000年以前では当たり前のように行われていたサインの伝達。現在ではサイン盗みに関して高野連が問題視しており、選抜高校野球の「大会規則9」により「走者がベースコーチや捕手のサインを盗み打者らに伝える行為は禁止する」とされている。ただ、疑惑については後を断たないのが現実だ。
選抜では13年の浦和学院-敦賀気比戦で浦和学院サイドに、16年の選抜では秀岳館-花咲徳栄で秀岳館サイドにサイン盗みの疑惑が生じている。秀岳館は試合後に高野連から「紛らわしい行為があった」と注意を受けている。
過去、サイン盗みで打者に伝えられていたのはコースや球種。二塁走者が捕手の出したサインやコースに応じて足や手、指などを動かしたり、一塁や三塁コーチがかけ声の種類を変えたりして、相手投手の攻略をバックアップしていた。
星稜・奥川はプロ注目の好投手。立ち上がりから球が高く本調子ではなかったが、3失点で敗退となった。林監督は「途中、サインを変えたり投手からサインを出すなど対策したが、それもあって浮ついたところが出てしまい、パスボールなどミスが起きてしまった」と振り返ったが、何とも後味の悪い一戦となってしまった。