智弁和歌山 猛攻13得点!中谷監督「高嶋先生を継承」聖地初采配で初星
「選抜高校野球・1回戦、智弁和歌山13-2熊本西」(28日、甲子園球場)
1回戦1試合と2回戦2試合が行われ、智弁和歌山は大勝で初戦を突破した。阪神などで活躍し、昨夏の甲子園後に就任した中谷仁監督(39)は監督として甲子園初勝利。市和歌山が高松商を破り、習志野は優勝候補の星稜との接戦を制して、それぞれ8強に進出した。なお和歌山勢2校の初戦突破は1982年の箕島、大成以来。
勝利の瞬間、智弁和歌山の中谷監督はポンッと大きく手をたたいた。先制された直後の三回に一挙4点で逆転。四回にも猛打は止まらず、4番・東妻純平捕手(3年)の3ランなど打者11人攻撃で7点を奪った。「高嶋先生の作られてきた智弁和歌山のイメージを継承して」。高嶋仁名誉監督(72)の築いた伝統の強打を聖地初陣で体現した。
「C」の人文字が映える三塁側アルプスも新指揮官の采配を盛り上げた。五回には中谷監督のために用意された新曲「YAMATO」を演奏。六回にも昨春から取り入れた曲「ミラクルショット」でダメ押しの2点を奪う攻撃を後押しした。
快勝にも“まな弟子”には手厳しい。試合前のシートノック。「東妻が緊張しているのを見て急に僕も緊張してきました」と、中谷監督は笑った。高校通算23号を放ってベンチに帰ってきた際には、「次の回の守備だぞ」と念押し。コーチに就任した17年から二人三脚で捕手転向をサポートした背番号2に対しては、どうしても要求は高くなってしまう。
チームトップの4打点を挙げた打撃にもスイングの粗さを指摘した。昨春の準優勝を超えるため、扇の要に懸ける期待は大きい。一番弟子から手渡されたウイニングボールに喜ぶ暇もなく、次戦を見据えた。