優勝候補の広陵「気持ちで負けた」 エース河野乱調…中井監督、夏へ「鍛え直す」
「選抜高校野球・2回戦、東邦12-2広陵」(30日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、優勝候補の一角に挙げられていた広陵は東邦に2-12で大敗した。1回戦の八戸学院光星(青森)戦で3安打完封勝利を挙げたエースの河野佳投手(3年)が三回途中6失点でKOされた。前回大会準優勝の智弁和歌山は雨で1時間50分の中断があった中、池田陽佑投手(3年)が2失点で完投し、啓新を5-2で退けた。準々決勝に和歌山県勢の2校が進出するのは、海草中と海南中が入った1938年の第15回大会以来、81年ぶり。明石商は大分を13-4で下し、3年ぶりの8強入りを決めた。
まさかの乱調だった。エース河野が立ち上がりから苦しんだ。初回に2四球をきっかけに連続適時打で2点を失うと、三回には相手エースの石川に高めに甘く入ったスライダーを左翼席へ運ばれた。
初戦の3安打完封から一転、三回途中6安打6失点で降板。東邦はチーム打率(・386)と1試合平均得点(9・47点)が今大会出場校中トップ。強力打線に対し、「コーナーを突く投球できれば良かったが、コントロールが定まらず、全部甘い球になった。修正できなかった」。
初戦で自己最速の150キロを計測した直球も、この日は142キロ止まり。「疲れはなかった」と体調面の異変は否定したが、マウンドに上がると「腕をしっかり振れなくてスピードが出なかった」。相手の足攻めにも揺さぶられ、「切り替えができずにズルズルいってしまった。気持ちで負けていた。悔しい」と唇をかんだ。
リリーフした石原勇輝投手(3年)、森勝哉投手(3年)も東邦打線の強打を止められず、終わってみれば16安打12失点の大敗。中井哲之監督(56)は「甘い球をことごとく打たれて足も使われた。ウチがやりたい野球をやられてしまった。これが実力。すべての面で鍛え直さないと」と厳しい表情で話した。