大船渡・佐々木、出た156キロ!日米18球団45人スカウト大絶賛「大谷クラス」
「練習試合、作新学院15-0大船渡」(31日、矢板運動公園野球場)
今秋ドラフト1位候補の大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)が31日、栃木県・矢板運動公園野球場で作新学院(栃木)との練習試合に今春初登板し、自己最速にあと1キロと迫る156キロをマークした。フィリーズ、ドジャースなどメジャー6球団を含む日米18球団45人のスカウトが視察。ポテンシャルの高さに驚がくし、大学生・社会人を合わせてもNo.1などと大絶賛が相次いだ。
190センチ右腕の圧巻投球は二回だ。先頭に右越え三塁打を許すと、ギアチェンジ。チェンジアップで空振り三振を奪うと、次は直球で連続空振り三振。阪神などのスピードガンで156キロを計測した。3人目はスライダーで空振り三振。「ピンチでは三振を取りに行く。きょうは無死三塁で3つ取れたのが大きかった」。失策が絡んで3回に1失点したが、予定していた3回を投げ、甲子園常連校を1安打6奪三振に抑えた。
センバツ出場の星稜・奥川恭伸、横浜・及川雅貴の2人、創志学園・西純矢と合わせて「高校生ビッグ4」。センバツ出場を逃した今オフの佐々木はスロー調整。ウエートトレーニングが中心で、体重が5キロ増えて球威がアップ。初ブルペンから4日目での実戦登板で、自己最速にあと1キロをたたき出した。「センバツで奥川君、及川君を見て、チームを勝たせるという意味で2人の方が上と思った。勝っているのは球速ぐらい」と言ったが、スカウト陣は大絶賛だ。
巨人・長谷川スカウト部長は「びっくりした。今プロ野球にいってもローテに入れるぐらい。直球のキレならプロでも3本の指に入る」と最大級の賛辞。阪神・葛西スカウトは「内外にきっちり投げられる真っすぐはもちろんスライダー、チェンジアップもいい。1位候補なのは間違いない」と評価。きれいな投球フォームだけでなく走り方も含めた身体能力が高い。ドラフト1位の入札で競合必至は間違いないとの評価が固まった。
4月末には春季岩手大会が始まるが、照準はあくまでも夏。メッツ・大慈弥スカウトは「大谷クラスのポテンシャル」と称し、花巻東時代に大谷がマークした160キロも視野。「意識はしませんが、体ができてくれば出ると思う」と佐々木。強豪私学からの誘いを断って、岩手の公立校からの甲子園行き、そしてプロ入りを目指す怪物の高校ラストシーズンが始まった。