重盗あり一発あり 習志野センバツ初決勝 小林監督「生徒のプレーには驚くばかり」

決勝進出を決め歓喜の習志野ナイン=甲子園(撮影・山口登)
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 「選抜高校野球・準決勝、習志野6-4明豊」(2日、甲子園球場)

 しぶとくて、したたか。試合巧者の習志野(千葉)が終盤に追いつき、そこから一気に突き放した。センバツでは初の決勝進出。千葉県勢にとっても銚子商以来実に24年ぶりの快挙だ。

 ヒーローはたくさんいる。1人挙げるとすればやはり、決勝弾の桜井亨佑一塁手(2年)だ。3-3の八回、先頭で打席に入ると4番として大仕事をやってのけた。カウント2-1からの4球目。打球は逆風などものともせず、右翼席へ飛び込む大会15号の勝ち越しホームランとなった。公式戦初本塁打が人生初の決勝アーチとなった桜井は「打ったのは真っすぐ。つなぐ意識でしたが、手応えがあったので逆風でしたが、行ったと思った。決勝戦も勢いに乗って行きたい」と会心の一発を振り返った。

 バッテリーの活躍も見逃せない。先発の山内翔太投手(2年)は初回に先頭弾を浴びるなど3失点したが、そこから緩急を使い、無失点ピッチ。エースのエース飯塚脩人投手(3年)は19イニング目で初失点したが、この男が出てくるとチームは俄然勢いづく。

 好リードの兼子将太朗捕手(3年)は七回に同点につながる右中間三塁打。4番・桜井の一撃で1点勝ち越した八回には二塁打のエース飯塚を左前打で還した。

 いや、ヒーローはもう1人いる。死球の影響で休んでいた根本翔吾中堅手(3年)がそれだ。「1番・中堅」でスタメン復帰すると三回2死一、三塁から意表をついたダブルスチールで三塁から生還して反撃のきっかけをつくると、九回2死一塁では左中間に抜けそうな打球を一直線に追いかけ、好捕した。あらかじめ左翼頼りに守備位置を変えた判断力が光った。

 「毎試合毎試合、生徒のプレーには驚くばかりです。信じられない。初回に3点取られて、”焦らなくていいよ、粘り強く行こう”と話しましたが、内心は私が焦っていた」と小林徹監督(56)も選手の奮闘に感心しきりだった。サイン疑惑に揺れた時期もあったが、それも肥やしか。さあ、頂点まであと1つだ。

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