明豊・青地兄弟で甲子園3連覇ならず 兄は昨年大阪桐蔭で春夏連覇
「選抜高校野球・準決勝、習志野6-4明豊」(2日、甲子園球場)
あきらめない気持ちをバットに込めた。3点を追う八回、2死三塁。背番号12をつける明豊(大分)の代打・青地七斗内野手(3年)は、フルカウントからの直球を力強く振り抜いた。大飛球は左中間フェンスを直撃。懸命のヘッドスライディングで三塁に到達した。
「逆転されてベンチが沈んでいた。自分のバットで1点取ってやろうと思いました」
1歳上の兄・斗舞さん(現・同大)が昨年、大阪桐蔭の2番・右翼手として春夏連覇を達成した。幼いころから目標だったその背中。一緒に大阪桐蔭のユニホームを着ることはできなかったが、青地も大分の強豪校に進んで甲子園の頂点を目指した。
ただ、定位置争いは厳しく、昨秋の公式戦出場は1打席だけ。年末に帰省した際に兄から「あきらめずにコツコツ頑張れ」と励まされ、冬にバットを振り込んだ。兄が甲子園で使った手袋と肘当てを身につけて挑んだ今大会。スタメン出場した横浜との初戦では、決勝打も放った。
執念の適時三塁打も逆転にはつながらず、準決勝敗退。「兄弟で甲子園3連覇」の夢には届かなかった。「ここを勝ち抜いて2回も優勝したお兄ちゃんは、やっぱりすごい。でも、自分にもまだ1回チャンスがある」。兄と同じ景色を見るために、夏の聖地に帰ってくる。