東邦30年ぶりの決勝進出!習志野倒して単独最多5度目優勝決める!
「選抜高校野球・準決勝、東邦4-2明石商」(2日、甲子園球場)
東邦(愛知)が30年ぶり7度目の決勝進出を果たした。両チーム無得点で迎えた七回に吉納(よしのう)翼外野手(2年)が先制3ランを放ち、これが決勝アーチとなった。東邦の春通算55勝目は、中京大中京と並ぶ歴代最多。平成最初の優勝校が平成最後の大会で、単独最多5度目の優勝に王手をかけた。
時代や気質が変わろうとも、伝統の底力はしっかりと息づいていた。東邦に平成最後の決勝切符をもたらしたのは、2年生・吉納のフルスイングだ。七回2死一、二塁から外角直球を強振。風にも乗った先制弾は、逆方向の左中間席で弾んだ。
「今日結果が出なければ、明日はないなと思っていた。本当にうれしい」と笑みがこぼれた。強引さが出た準々決勝・筑陽学園戦は5打数無安打3三振。この日は5番から7番に打順が下がった。「ショックだった」という悔しさ、森田泰弘監督(59)の「センター方向を意識していけ」という助言の両方を生かし、最高の結果に変えた。
自身の性格を「独特だと思う」と認めるスラッガー。宿舎では大好きなK-POPを熱唱。この日の初回もブラスバンドの応援に合わせて歌い、先輩に「集中しろ」と注意された。ただ、バットを握ればそこは伝統校の“元主軸”だ。決勝弾の打席では、死球を受けていた一走・河合の治療で試合が中断。「力まずいこう」と集中し直し、再開から2球目をきっちり捉えた。
頂点まではあと1勝。平成元年の優勝投手である山田喜久夫さんの次男・聖将内野手(2年)から当時の話も聞いたという吉納は「平成の最後も優勝で飾れるように、自分が打って勝ちたい」と誓った。メモリアルVで、東邦の歴史に新たな1ページを加える。