オリックス・山岡 意地の8回0封 開幕7戦目で12球団最後に指揮官へ届けた初星
「オリックス2-0楽天」(5日、京セラドーム大阪)
オリックス・山岡泰輔投手はウイニングボールを西村監督に手渡した。開幕から1週間。12球団最後となった1勝目。右腕が自らの投球で導いた。
立ち上がりからフルスロットルでいった。初回2死から浅村。昨年オフのFAでは前代未聞の門前払いを食らった屈辱の相手に対して148キロで空振り三振に仕留めた。そこからMAX149キロの直球でどんどん内角を攻め、楽天打線に的を絞らせない。
四回には先頭の茂木を安打で出すが、浅村に対してフルカウントとなったところで、素早いけん制で茂木を刺し、浅村は三振でピンチを脱した。
「相手は二塁に走者を置きたい。変化球の可能性が大きいところ。タイミング的に絶対刺せると思った」
オープン戦の最終登板でベースカバーに遅れ指揮官の怒りを買った。開幕投手を白紙にするとまで言われた。「投手キャプテンとしてやってはいけないことをした」と反省。投球で信頼を取り戻すことを誓った。
8回3安打無失点。開幕戦では勝利目前の八回に同点に追いつかれ「悔しい」を繰り返した。この日、八回を投げきり意地を見せた。
西村監督は「最高の投球をしてくれた。ここからエースになっていってもらわないといけない」と最大級の賛辞とエールを送った。
昨年オフに金子、西が抜けた。ぽっかりと空いたエースの座。当然、狙っている。チームの連敗を止めたのはそんな自覚の表れでもある。「何回も続けば周りの見方も変わってくる」。その称号を手にするために腕を振り続ける。