「ヤクルト８－７中日」（５日、神宮球場）

　神宮のお立ち台から見る景色は、やっぱり最高だった。「ただいま！」。かつての守護神の言葉に、スタンドが沸く。ヤクルトで挙げた１０年ぶりの白星。五十嵐亮太投手は「ここに立てているのが信じられない」と目を潤ませた。

　１点ビハインドの八回に登板すると、阿部の空振り三振を皮切りにピシャリ。「３人で抑えれば同点、逆転につながると信じてマウンドに上がった」と、３９歳が気迫の３連投で直後の逆転を呼んだ。

　昨季でソフトバンクを戦力外に。古巣復帰した今春キャンプも、２日目に右ふくらはぎの張りで別メニューとなった。復活を支えたのは、かつて“ロケットボーイズ”を組んだ石井弘寿投手コーチだ。さまざまな練習法で、踏み出す左足に体重が乗るようにフォームを修正。五十嵐は「若い時からずっと僕を見ていて、忘れていたことを思い出させてくれる」と感謝した。

　開幕から４戦連続無失点と、もうブルペンには欠かせない。節目のウイニングボールをもらったベテランは「目頭が熱くなる感じがあった」と感慨をにじませた。