大船渡・佐々木、高校最速163キロ!衝撃2回6連続K スカウト50人の度肝抜く
「侍ジャパン高校代表候補・国際大会対策研修合宿」(6日、奈良県内)
“令和の怪物”候補が歴史を塗り替えた。大船渡・佐々木朗希投手(3年)が6日、奈良県内で侍ジャパン高校代表候補の国際大会対策研修合宿第2日に参加。実戦形式の練習で、自己最速を6キロ上回る高校球界歴代最速の163キロを計測した。花巻東・大谷翔平(現エンゼルス)の160キロを3キロ更新する剛球で、阪神など日米12球団約50人のスカウトの度肝を抜いた。
異次元の速さだ。実戦形式の練習に登板した佐々木。対した2人目の打者、横浜・内海への3球目は外角低めに外れたが、バックネット裏で視察した中日スカウトのスピードガンには「163」の数字が表示されていた。
「春の時点で投げたいなと思っていた」。思い描いた160キロにたどり着くどころか、軽々と自己最速を6キロ超えた。打席で体感した内海も「球筋が見えなかった」と衝撃に興奮を隠しきれない。
高校屈指の打者6人をすべて三振に斬った。見逃しが2つ、空振りが4つで2回無失点。全25球中直球は15球。見逃しストライク3、空振り5、ファウル1、ボール6。打球が前に飛ぶ雰囲気さえも感じさせなかった。平均156キロの速球に加え、スライダー、チェンジアップ、フォークのキレも抜群だった。
8人体制でチェックした阪神・畑山統括スカウトは「すごいの一言。高校生では(力が)抜けている。伸びしろもあるし、晋太郎(藤浪)、大谷以来かな」と絶賛。スケールの大きさは計り知れない。
登板直前のブルペンから予兆はあった。代表候補のメンバーや多くの報道陣に見つめられる中、佐々木は157キロを計測。捕手役を務めた中京学院大中京の藤田もあまりの速さに捕るのがやっとの様子だった。
それでも、当の本人は「変な力が入ったというか…」と満足していない。「指に引っかからなかった」と反省すら口にする。「スピードだけしか勝っていないんで。まだまだ自分にないものを持っている。追いつきたい」と星稜・奥川らへの意識を強めた。
大台を突破し、見据えるのは全国舞台だ。「甲子園に行きたい」と夏の目標を改めて掲げた。同じ東北出身の大谷についても「まだまだ雲の上の存在。いつか必ず超えたい」と宣言。大きな野望をかなえる可能性を佐々木は秘めている。