ロッテ・鈴木 執念のサヨナラ打「心が折れたら終わり」
「ロッテ5-4オリックス」(9日、ZOZOマリンスタジアム)
ロッテ・鈴木の言葉には聞く者にグッとさせるものがあった。「心が折れたら終わりなので、いまできることを100%やろうと」
延長十回。1死満塁。野球の神様は鈴木に最高の舞台を与えた。
見事に応えた。近藤の初球を捉え打球は右翼へのサヨナラ安打となった。「うれしかった」。二回にも先制打のヒーローは声を絞り出した。昨季まで6年連続で120安打以上を放ち、14年から主将、今季からは選手会長を務める。そんなリーダーがレアードの加入で三塁を奪われて開幕をベンチで迎えた。出番はなかった。
シーズン前から厳しい状況を察知していたが、覚悟だけはあった。「1秒でもグラウンドにいれるようにやるだけです」。決して腐らずに日々の練習を全力でこなした。
4番・井上の不振で出番が来た。4日の西武戦から一塁でスタメン。開幕前に「きっとレギュラーで戻ってくる」の誓いをを現実にしてこうしてチャンスが巡る。出場できない時でも常にナインの先頭に立って大声で声援を送る。心が折れない男はどこまでも強い。