オリックス新4番“ラオウ”杉本 豪弾の1試合2発!
「西武3-10オリックス」(13日、メットライフドーム)
その打球はライナーのままバックスクリーンの中腹に「ドン!」とぶち当たった。あまりの豪弾ぶりに場内のざわめきはなかなか止まらない。ベンチのサイレントトリートメントにラオウことオリックス・杉本は“エアタッチ”で応え、最後はスタンドに向かって両手を挙げた。
プロ4年目で初の4番に抜てきされた。同点の三回無死一塁から今井の高め145キロを2ラン。七回には田村の直球をバックスクリーン左へ運ぶ2号ソロ。自身初の1試合2発、3打点の活躍でチームを今季初の2桁得点へと導いた。
オープン戦でチーム最多の3本塁打を放ちながら開幕1軍に残れなかった。西村監督からは「速い真っすぐとキレのある変化球を打てるようになって来い」と言われた。
「めっちゃ悔しかった。2軍ではそれを意識してやってきた」
ウエスタン・リーグで4本塁打を放ち、教育リーグでの2本を合わせると2カ月弱で11本目。その理由は意外なところにあった。
漫画『北斗の拳』の敵役ラオウを「尊敬してやまない」と公言。チームメートからもラオウと呼ばれるが「打席ではラオウよりトキのイメージです。『柔の拳』ですね。柔らかく力を抜いて打撃練習の延長で打てているのが良いのかと思います」。プロ通算7安打で5本塁打、2二塁打。単打知らずの新4番がチームを浮上へ導く使者となる。