「巨人４－５広島」（１７日、リブワーク藤崎台球場）

　広島に同点に追いつかれ、なおも九回２死二塁。巨人のライアン・クック投手が投じた真ん中高めの直球を石原に捉えられた。炭谷が要求したつり球が甘く入った。二塁走者の菊池涼が生還し、一塁ベンチは凍りついた。守護神が３失点の乱調で逆転負けを喫した。「高めに外そうと思ったが、高めに外し切れてなかったのかな」と、失投を悔やんだ。

　八回に丸の２ランで一時は勝ち越したが、喜びも一瞬だった。熊本で広島戦４戦４勝の不敗神話が崩れた。これで４カード連続勝ち越しなし。原辰徳監督は「まあまあ、こっちのいいパターンの中で、守り切れなかったというところですね」と、逃げ切り失敗を冷静に振り返った。

　主役の豪快な一撃でベンチの誰もが勝利をつかんだと思ったはずだ。八回１死一塁。丸がフランスアの直球を完璧に捉えた。打球はＧ党で埋まった右翼席へ一直線。古巣カープから放った初アーチだ。スタンドが沸く中、ベンチに戻ると、両手で円を描く“丸ポーズ”を行い大きく沸いたが、空砲に終わった。

　６試合目の登板で初めて救援に失敗したクックに将は「もう少し用心深く、丁寧に。本人は十分、役割は分かってる。きちっと調整してくるでしょう」。痛い敗戦を糧に次回のマウンドでの奮起を期待した。