日本ハム・金子、古巣オリ斬りで12球団星 “精密機械”鮮やか復活!5回0封
「オリックス3-7日本ハム」(18日、ほっともっとフィールド神戸)
苦楽を共にしてきた仲間との記憶も、ほっともっとフィールド神戸に詰まった思い出も、心の奥にしまった。「3連敗だけは阻止したかった」。日本ハム・金子が魂を込めた54球で古巣打線を圧倒し、5回1安打無失点で移籍後初勝利。同時に史上18人目の全球団勝利を達成し、球史に名を刻んだ。
最速147キロの直球を軸に宝刀チェンジアップを織り交ぜた。許した安打は後藤の二塁内野安打1本のみ。三塁すら踏ませない安定感抜群の投球。試合後、プロ初登板を果たした06年4月12日・西武戦を思い返した。「すごい巡り合わせですね」。当時の球場名はスカイマーク。それから13年後、新天地での初勝利に「うれしい」とようやく笑った。
右肩と右肘の違和感で不本意なシーズンとなった昨季を糧に、オフは「肩、肘、肩甲骨の強化、持久力、安定性を重点的に」とトレーニングに励んだ。目指したのは16勝を挙げ、沢村賞を獲得した14年シーズンの肉体。「忘れかけていたものに気付けた」と原点回帰し、よみがえった。
移籍後初めて投げた古巣の元本拠地は、やはり慣れ親しんだ特別な場所だった。栗山監督も「素晴らしかったです」と連敗脱出の立役者を称賛。“精密機械”と呼ばれる金子が鮮やかに復活を遂げた。