巨人・岡本の天井直撃同点打から陽岱鋼V3ラン 若大将「ツイている」貯金8
「巨人9-3中日」(2日、東京ドーム)
バットをたたきつけて悔しがった感情とは真逆の結果が待っていた。1-3の五回。巨人・炭谷の移籍後初本塁打で1点差に迫り、なお2死一、二塁。岡本は高々と飛球を打ち上げた。「終わったと思った」。だが、打球は天井に当たり、三塁後方にポトリ。二走・中島が生還する同点適時内野安打となった。
チェンジが一転しての同点劇にドームは大盛り上がり。「初めて」という天井直撃打は好結果に転んだ。それでも「勝ったので良かった。運が味方していると思います」と振り返る主砲の顔に笑顔はなかった。
4月19日の阪神戦以来、本塁打から遠ざかって打率も・243。試合前練習では原監督にティーを上げてもらい、アドバイスを受けた。その指揮官は「自分の力で打ったとは思ってないと思いますよ」と苦笑いし「ツイてるでしょう。そこは何かに感謝してね。次につなげるようにしないと」と、上昇へのきっかけにすることを求めた。
形はともかく、4番の一打がチームに勢いをもたらした。直後、陽岱鋼が気落ちした中日・ロメロの初球を強振し、打球は左翼後方の看板を直撃。賞金100万円の決勝2号3ランとなった。お立ち台で「賞金は嫁に渡します」と笑った背番号2。指揮官も「私が見る初めての殊勲打。さらに、ということを期待したい」と声を弾ませた。
本拠地6連戦を4勝2敗で終え、4カード連続の勝ち越し。貯金は最多タイの「8」となり、2位・ヤクルトとの差を2・5と広げた。「一戦一戦積み重ねること」と原監督。幸運を勝利につなげ、独走の気配を漂わせ始めた。