富岡西がサヨナラで決勝進出「ノーサイン野球」で高松商を逆転
「春季高校野球四国大会・準決勝、富岡西4-3高松商」(4日、松山中央公園野球場)
富岡西がサヨナラで高松商を破り、初の決勝進出を決めた。
0-3で迎えた八回、富岡西は3安打などで2点を奪い1点差に追いつくと、九回には持ち味の「ノーサイン野球」が威力を発揮する。
2四球と敵失で1死満塁のチャンスをつくり、2番・阿部航一郎内野手(3年)の中犠飛で同点に。さらに3番・坂本賢哉外野手(3年)が打席に入った直後、相手投手が投球動作に入る前に、二走・粟田翔瑛捕手(3年)が相手守備の隙を突いて三盗に成功。そして坂本への2球目、相手投手の暴投でボールがバックネット方向に転がる間に、粟田がサヨナラのホームを踏んだ。
勝利を呼び込む三盗を決めた粟田は「相手投手がロージンを触っていて、自分に集中していなかった。同点になって動揺して、投げるのに必死なように感じたので走れると思った。セーフになる自信はありました」と振り返る。
21世紀枠で出場した今春センバツでも話題となった「ノーサイン野球」。監督の指示で動くのではなく、選手が相手を観察しながら自分たちで作戦を考え、実行する野球をナインは磨き上げてきた。勝負どころでその成果を発揮し、四国の頂点まであと1勝。5日の決勝は明徳義塾と対戦する。粟田は「明徳は憧れのチーム。楽しみたい」と意気込んだ。