「ソフトバンク７－２オリックス」（５日、ヤフオクドーム）

　試合後、ソフトバンク・工藤監督がベンチ裏で取材に応じている際、やや音程のずれたバースデーソングが聞こえた。「下手？気持ちがこもって、歌ってくれるだけで十分です」。指揮官の誕生日に勝利をもたらし、歌をプレゼントしたのは周東だった。

　互いに無得点で迎えた三回２死、左翼フェンス直撃の打球を放つと一気に三塁を陥れると、今宮の中前打で先制の生還をした。キャンプ中のアピールで支配下登録をつかんだが開幕２軍スタート。故障離脱者が続出したことで生まれたチャンスで「走れるところを一番アピールしたい」という誓い通りの活躍を見せている。七回は１死から中前打で出塁し二盗、三盗を決めて７点目のホームを踏んだ。

　プロ初のお立ち台で「めちゃくちゃ緊張しました。逃げ場がなかった」と一生懸命の歌で指揮官の記念日を祝った。チームは今季２度目の４連勝で５カード連続の勝ち越しを決め、工藤監督の就任後、誕生日の５月５日は５戦５勝。「白星が一番。何よりもうれしい」。バースデーに躍動した孝行息子に顔をほころばせた。