空前絶後の大船渡・佐々木フィーバー! 人口5000人小さな町に2100人殺到

 7回、この試合4安打目となる左前打を放つ大船渡・佐々木(撮影・堀内翔)
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 「春季高校野球岩手大会・沿岸南地区予選第1代表決定戦、大船渡7-0高田」(6日、住田町運動公園野球場)

 最速163キロ右腕の佐々木朗希投手(3年)擁する大船渡は6日、高田を八回コールドで破って沿岸南地区を1位通過。エースは登板しなかったが、「4番・右翼」で先発出場し4安打2打点1盗塁と沸かせた。一目見ようと人口5435人の、岩手県気仙郡住田町の球場に2100人が殺到。10連休最終日、小さな町に大フィーバーが巻き起こった。

 “令和の怪物”を目当てに、多くの人が豊かな自然に囲まれた町へ駆けつけた。佐々木の今年2度目となる公式戦にも、住田町の世帯数「2150」に迫る2100人のファンが大挙。9カ所準備した約800台の駐車スペースは満車、約600人収容のスタンドも満席で立ち見客が球場周囲を取り囲んだ。

 岩手・釜石市で行われた3日の初戦に2800人を動員したことで、岩手県高野連はこの日の試合へ向けて報道陣に“取材自粛”を申し入れていた。しかし、28社50人と多くのメディアが集結。佐々木のみが別ルートで球場入りするなど県大会の地区予選としては異例の雰囲気が漂った。

 広島など国内3球団のスカウトも視察に訪れて一身に注目を浴びる中、佐々木は本業ではないバットで応えてみせた。初回1死一、三塁から「チャンスに強くなった」と右翼へ鮮やかな流し打ちで、先制適時打。三回には鋭い打球で遊撃強襲の内野安打にすると、五回に中前適時打、七回は左翼へ運んで広角に打ち分けた。

 「投げないので気持ちが楽。バッティングに集中できるかな」と主砲としての責務を全うした。初戦の住田戦を含めると、6打席連続安打。五回には50メートル走5秒9の快足を生かして二盗を成功させるなど身体能力の高さを改めて披露し、投げずとも観客の心をつかんだ。

 不慣れな右翼での守備機会は一度のみ。「打球が飛んでこなくてよかったです」と、苦笑いを浮かべながら「自分のできることを尽くして、自分のスタイルを持ってやっていければ」と次回登板に意気込む。

 17日からの本戦では強豪私学との対戦も待ち受ける。「夏へ向けての収穫にできたら」と気合は十分。「球場を味方につけられるように」と、自らを取り巻く環境をもプラスに捉えて挑む。

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