「紀州の剛腕」和歌山東・落合を9球団のスカウトが視察 GTはともに3人体制
「練習試合、和歌山東8-4滋賀学園」(11日、和歌山東高グラウンド)
「紀州の剛腕」にプロが熱視線だ。プロ注目の右腕、和歌山東・落合秀市投手(3年)が11日、和歌山市内の同校グラウンドでの滋賀学園との練習試合に先発した。3人体制だった阪神を始め、プロ9球団計17人のスカウトが見つめる中、9回4安打4失点(自責0)12奪三振で、完投勝利を挙げた。
「左バッターに対して良くなかった。ツーシームが決まらなかったので。(直球も)狙ったところにあまりいけなかったので。ボールも多かったので」
九回の4失点は失策絡みのもの。そこまでは完封ペースでの投球で、自己最速タイの147キロも記録した。自身は課題を口にしたものの、ネット裏に集まったプロのスカウト陣の視線を感じた中で「いつも通り投げました。(緊張も)しないです」と、堂々のピッチングを披露したところにも価値があった。
さらにバットでは四回無死一塁から、右翼に「(通算)4か5本目です」と2ランも放つパワーも見せ付けた。ただ、「最近太ってしまったので痩せます。(体の)キレが悪いので。今は90キロ。ベストは85キロです」と、夏の大会に向けて体を仕上げていく。
阪神と同じく3人体制だった巨人の岸スカウトは、今年に入って3度目の視察。「(比較した場合)奥川君(星稜)の方が完成度はあるが、素材としては同じぐらい」と、同世代のトップクラスの投手と素材としては遜色ないだけの評価を口にした。また、阪神・渡辺スカウトは「ボールが力強い。あのまっすぐがあって、変化球でもカウントを取れる。体形とかフォーム的に秋山(阪神)に似ている」と振り返り、今後も成長を追っていく。
春季大会では和歌山東は智弁和歌山に敗れたものの、落合は登板しなかった。「夏はやっぱり(甲子園に)行きたいですね」と、さらにスケールアップして甲子園を目指す。