西武・山川、日本最速100号 母の日に感謝のメモリアル弾
「日本ハム3-6西武」(12日、札幌ドーム)
連敗中の重い空気をメモリアールアーチが吹き飛ばした。左翼席の最上段までかけたきれいな放物線。打球の行方を見届ける必要もない。王手をかけてから24打席目での到達。西武・山川が日本選手最速となる出場321試合目で通算100号の大台に乗せた。
「完璧だったので打球も見ず、気持ち良かった。手に感触が残らないという感覚。打ち方はいろいろあるけど、理想でした」。三回1死二塁。バーベイトの直球を迷いなく振り抜いた。「うちでは中村さん(通算390本)がはるか上をいっているので。少しでも追いつけるように」と控えめに喜んだ。
100号の記念ボールは、母喜代子さんに手渡すつもりだ。「母の日に記念のホームランを打てて良かった。お母さんの念というか力なのかな。あそこまで飛ばせる体にしてくれて感謝しています」。女手一つで育てられた一人っ子。母は台所でパン一つをかじりながら山川に好きなだけ食べさせてくれたという。中学3年間で50キロだった体重が100キロまで増え、希代のアーチストの基礎がつくられていた。
七回には左越えの15号ソロを放ち、早速通算101号。チームの連敗も5で止めた。次なるターゲットはシーズン50発。日本人最速の称号を得てアーチを量産し続ける。