楽天8点差大逆転 藤田“神の手”サヨナラ!「とっさにクロールしました」
「楽天9-8日本ハム」(15日、楽天生命パーク宮城)
“神の手”が乱戦に終止符を打った。同点の延長十一回1死一、三塁。楽天・ウィーラーの浅い右飛で三走・藤田がタッチアップのスタートを切って本塁へ頭から飛び込んだ。
「あのまま行ったらタイミングはアウト。ミットもベース上に来ていたので、とっさにクロールしました」と捕手・清水のミットの上に左手を伸ばしてタッチをかいくぐった。相手のリクエストもあったが「セーフの確信はあった」と藤田。判定は覆らず、球団史上初の8点差を逆転するサヨナラ勝利で場内は大歓声に包まれた。
四回までに8点を奪われる展開。それでも渡辺直を中心に「まだまだ行ける!」という声がベンチに飛び交い、8点を追う四回2死満塁でのブラッシュの豪快な一発から、反撃ののろしが上がった。
九回に同点ソロを放った浅村は延長十一回2死一、二塁で近藤の強烈な二塁ゴロを好捕。グラブを外してボールを芝に転がし「焦らずにしっかり握って送球しようという判断」と、冷静な守備でもチームの窮地を救った。
大味な試合を最後に制したのは藤田の、浅村の“プロの技”。前日に通算1000安打を達成しながらチームの大敗に「喜べない1日だった」とした藤田だが「これで気持ち良く(16日に試合の)東京へ移動できます!」。職人の顔に会心の笑みが浮かんだ。