柔道男子日本代表のウルフ・アロン 初始球式でストライク投球「及第点、合格」
「ロッテ-オリックス」(16日、ZOZOマリンスタジアム)
柔道男子100キロ級日本代表で19年全日本王者のウルフ・アロン(23)=了徳寺大職=が16日、ZOZOマリンスタジアムで行われたプロ野球・ロッテ対オリックス戦で自身初の始球式を行い、ストライク投球で拍手を浴びた。
直前の投球練習では捕手のはるか頭上を越す大暴投を見せて、「大丈夫か…」と関係者の不安を増幅させたウルフだが、そこは全日本柔道王者。本番での強さと修正力を発揮してノーバウンドでキャッチャーミットにビシッと収まるストライク投球を披露し、「マウンドは畳とは全く違う感触だったが、及第点ですね。合格」と安どの笑みを浮かべた。
野球は小学生時代に遊びでやっていた程度だったが、先週に約40分間投球練習を行い、100球以上を投げ込んで肩をつくったという。本職同様の準備の周到さをのぞかせ、「練習の成果を出せた」と胸を張った。
先月29日に柔道界最高のタイトルといわれる全日本選手権を制したウルフは、街で声を掛けられる機会も増えたという。ただ、大会翌日には街で手を振られ、手を振り返した子供から「知らないおじさん」と言われ、「まだまだです」と力不足を痛感。「やっぱり五輪ですね」と、知名度アップのためにも自国開催での大一番に向けて気持ちを新たにした。
まずは東京五輪代表争いに大きく影響する今夏の世界選手権(8~9月、日本武道館)が試金石となる。「残り3カ月やるべきことをやって、(17年以来の)王座奪還を目指す」と力を込めた。