立命大、関大に完封勝利の“お返し” 有村が「スミ1」守る力投
「関西学生野球、立命大1ー0関大」(19日、南港中央野球場)
立命大が「スミ1」での完封勝利で、対戦成績を1勝1敗とした。負ければ勝ち点を落とす大事な試合で、先発した有村大誠投手(3年)が9回8安打7三振でリーグ戦自身初となる、完封勝利を挙げる活躍を見せた。
「集中して入りました。今日の完封は自信にしたいですね」
前日に完封負けを喫した関大を相手に「完封返し」の好投だ。「27のアウトをどう取るかを考えました。相手バッターのビデオを見たりして」。六回には1死からの連打で一、三塁のピンチを迎えたものの、後続を打ち取って切り抜けた。
唯一の得点は、有村の同級生であり、「1番・左翼」でリーグ戦初スタメンを果たした渡辺理玖外野手(3年)の働きによるもの。初回、先頭から三塁打を放つと、1死を挟んで橋本和樹内野手(3年)の一塁への野選で、先制のホームに滑り込んだ。
渡辺は東大津高から、珍しく一般入試から野球部に入部した苦労人だ。「最後ぐらい厳しいところでやりたい」と、立命大合格後に、後藤昇監督に野球部入部を希望。そこで「1年たったら学生コーチかマネージャーに変わるかもしれない」といった話をされたが、「1年やってダメならしょうがない」とそこからコツコツ努力を積み重ねて、ここまで辿りついた。
有村が「いつ見ても努力してますから。すごいです」と話し、後藤監督も「全て一勝懸命やる選手で、カンフル剤として使ったんです」と、孝行息子の活躍を喜んだ。
渡辺は「(スタメンは)昨日のミーティングで聞きました。緊張しました。無心でやりました」と笑顔。チームの誰もが認める苦労人が活躍し、優勝に向けて貴重な勝利をつかむ結果となった。