楽天・石橋 7回0/3を2失点 好走塁で勝ち越しの本塁へ

 「交流戦、阪神2-3楽天」(20日、甲子園球場)

 粘りの投球で、そして激走で、楽天・石橋が勝利をつかみ取った。「地元も関西(大阪・堺市)なのでプレーできてうれしかった。一生の思い出になる」と話すプロ入り初の聖地・甲子園のマウンド。まずは「思い切って腕を振って投げるだけなので」という全力投球で流れを引き寄せる。

 初回に先制点を許し、四回2死では梅野に中越えに運ばれるソロを被弾。それでも五回に味方が同点に追いつくと、中盤は安定した投球を展開。そして七回、石橋に意外な見せ場が訪れた。

 七回1死一塁で打席に向かうが、送りバントは失敗。「ゲッツーはアカンと思って走った」という全力疾走で一塁へ駆け込み、併殺は逃れた。そして2死一、二塁となり、島内の中前打で二塁から見事な走塁で勝ち越しの本塁へ滑り込んだ。

 「バットにボールが当たった瞬間、全力で走りました」。明徳義塾時代は、二塁手で甲子園出場経験もあるが「(試合でスライディングは)10年ぶりぐらい。高校の時にちゃんとやっておいて良かった」とおどけた。

 平石監督も「こちらの想像以上にセンスがあった」と走塁を絶賛。連戦で救援陣を温存したい中、7回0/3を投げて4勝目。チームも今季最多の貯金10。「これからも全力で投げていくだけです」と話す右腕が、大きな1勝をもたらした。

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