岩倉・宮里が5回0封好救援 3カ月対外試合禁止処分の逆境にも負けず球速もアップ
「高校野球東東京大会・2回戦、岩倉2-0東洋」(8日、神宮球場)
岩倉が苦戦しながらも初戦を突破した。プロ注目右腕の宮里優吾投手(3年)が5回無失点6奪三振の好リリーフ。次戦は14日に朋優学院と対戦する。
エースが重苦しいムードを変えた。6月下旬に手首を痛めて直前では投球練習もままならない状態の中、両軍ともに無得点の五回から登板。「雰囲気が悪い中で自分がマウンドに上がって、しっかり抑えて流れを持ってくる」と腕を振った。
中日など3球団のスカウトから視察を受ける中、ヤクルトのスピードガンで最速142キロを計測した直球とフォークを軸に五回2死から4者連続奪三振に斬った。六回に2点の援護を受けると、最後まで安打を許さず。走者は九回先頭の四球のみで、二塁を踏ませなかった。
昨秋の東京大会では8強ながら部内暴力が発覚し、1月30日から4月29日まで対外試合の禁止処分を受けた。今春の東京大会は出場辞退し、他校との練習試合を再開したのは5月3日。逆境の中でも宮里は「謹慎の期間でどれだけ自分の中でできるか」と、黙々と走り込んだ。
地道なトレーニングが実を結び、昨秋から球速は147キロまで上がった。今春には妹の眞桜さん(1年)が同校の吹奏楽部に入学。この日はテスト期間で駆けつけられなかったが、次戦こそパワーアップした兄の姿を目の前で見せるつもりだ。