英数学館・福田“北別府効果”で0封発進 MAX147キロ右腕 ピンチも平常心
「高校野球広島大会・1回戦、英数学館10-3府中」(14日、福山市民球場)
1回戦12試合が行われ、英数学館は10-3の七回コールドで府中を下した。最速147キロで今大会注目の好投手である福田真啓投手(3年)は、2回2/3を1安打無失点、4奪三振で初戦突破に貢献。昨年、非常勤コーチに就任した元広島のエース、北別府学氏(62)=野球評論家=から受けた精神面の指導により、ピンチでも冷静さを失わなかった。
正念場を迎えても福田は平常心だった。6-3の六回。3四死球から2死満塁とした場面で、思い切って腕を振り抜いた。「粘り強く投げられたと思う」。狙い通りの見逃し三振。ピンチをしのぎ主導権を手放さなかった。
五回1死一塁から出番が来た。試合前から断続的に降る雨の影響でマウンド状態は最悪。バランスを保つことが難しく、指先は乱れた。「去年ならイライラしていた」。それでも自分を見失わずに投げられたのは、元広島エースの存在があったからだ。
プロ通算213勝の北別府氏が昨年から非常勤コーチに就任。月に1度、指導を受けてきた。「今年は技術よりも精神面が多かった。どんなときも落ち着いて投げるようにと言われてきた」
昨年は体重移動の方法を学び、3カ月で球速は7キロ上がった。現在は冬の筋力トレなどの効果で最速147キロだ。その武器を最大限生かすためには心の制御が不可欠。心技体を整えて最後の夏に臨んでいる。
過去、チームは3回戦の壁にはね返されてきた。「落ち着いて一人一人に投げて行きたい。冷静に投げれば打たれることない。甲子園に行きたい」。北別府氏の教えを胸に、福田は高い目標を持ってマウンドに立ち続ける。