“おかわり”西武・中村、史上20人目の400号 王手から18打席目、サヨナラ弾
「西武5-4オリックス」(19日、メットライフドーム)
天高く右手でバットを突き上げた。勝負を決した。そして、史上20人目の大記録を達成した西武・中村が通算400回目となるダイヤモンド一周の旅に出た。劇的なサヨナラアーチ。ナインの祝福を受けると、400号の記念パネルと花束を掲げた。
「はっきり言うと(打席では)何も考えていなかった。久しぶりに芯に当たったんで、入るかなと思った。サヨナラしかああいう場面はないんで気持ちいいもんです」
延長十一回1死。増井のフォークを仕留めた。生粋のアーティストは10日のソフトバンク戦で王手をかけてから18打席目であの感覚と出合った。「打った瞬間の感覚ですね。そういうのはヒットと違う。皆さんが思っているより小さいころからホームランを打つ練習をしてきた。(入るかは)ほぼ分かります」。プロ18年。この感覚を求め、400の数字を積み重ねた。
「打ったのは○○(球種)。打てて良かったです」。試合中、中村が適時打や本塁打を打ったときは紋切り型のように、このコメントが届く。定型文にしているわけではなく、毎回広報が聞きにいって、こう答える。「素直な気持ち。どんないい場面で打ってもコメントが出るころには試合が動いているかもしれないですから」。しかし、区切りのアーチは試合を決める一発だった。
自身4本目のサヨナラアーチ。「もっとホームランを打てるようにより一層努力していきたい」。昭和生まれの大砲は、平成でアーチを積み重ね、令和でもその記録を伸ばしていく。