星稜・奥川 遊学館から13奪三振で4強「しっかり踏ん張れた」
「高校野球石川大会・準々決勝、星稜2-1遊学館」(24日、石川県立球場)
自らの力を信じて勝利を引き寄せた。星稜のエース・奥川恭伸投手(3年)が遊学館をねじ伏せた。7安打を許しながらも、勝負どころでは三振の山を築く。今夏初先発は13奪三振で1失点完投。甲子園への大きなヤマ場を乗り越えた。
「厳しい場面はあったけど、しっかり踏ん張れました。夏はどんな勝ち方でも勝たなきゃ次につながらない。1点差でも勝ちきって次につなげられたので、(自分に)いい評価をあげていいと思います」。試合後の奥川はホッとした表情だ。
今夏は金沢大付戦で登板したが、投げたのは2イニングのみ。初先発への不安は感じていた。しかも、遊学館は春夏7度の甲子園出場を誇る試合巧者。「しっかりした対策を練ってくる」と直球に狙いを絞られ、2点リードの三回1死一、三塁から左前適時打で1点を奪われた。
それでも「自分の球を信じるしかない」と、ここからギアチェンジ。なおも1死満塁のピンチを背負ったが、3番、4番と連続三振に斬って窮地を脱した。七回途中からは5者連続奪三振もマーク。「終盤まで(調子が)落ちずに投げられました」と言う。
ネット裏で視察した10球団のスカウトもほれ直した様子。中日・米村チーフスカウトは「勝つためには何をすべきかという投手センスにたけている」と評価した。聖地まであと2勝。「次はもっと楽に勝てるよう修正しないと…」と奥川に“慢心”の2文字はない。