横浜撃破の相模原は県立進学校 初4強で佐相監督「60年生きてきてよかった」
「高校野球神奈川大会・準々決勝、相模原8-6横浜」(25日、横浜スタジアム)
神奈川有数の県立進学校、相模原が逆転勝ち。初の4強入りを決めた。
5点を追う七回に打者10人の猛攻で一気に同点。1点を勝ち越された八回には、4番・中野夏生内野手(3年)の2点適時二塁打などで3点を奪って逆転した。
佐相真澄監督(60)は「よく打ってくれた。5失点したときは『ヤバいな』と思ったけど、選手はあきらめていなかった」と教え子を称賛。神奈川の“私学四天王”と称して打倒を目指してきた横浜、東海大相模、慶応、桐光学園の一角を撃破し「勝っちゃいましたね。気持ちいい。60年生きてきてよかった」と笑った。
相模原は国公立大や有名私大への進学者が多く、今春も東大合格者を出した。野球部のグラウンドは陸上部と共用。文武両道を重んじる学風の中で、12年に就任した佐相監督のもと「学校は公立、野球は私立」などのスローガンを掲げながら、工夫したトレーニングや練習で着実に実力を伸ばしてきた。
夏は14、18年に続く8強(18年は北神奈川大会)。3度目の準々決勝で、14年にコールド負けした横浜をついに倒した。速球対策に加え、昨冬から導入したメンタルトレーニングの効果もあり、この日は横浜と同じ12安打を放った。神奈川の夏の大会で、公立校が4強入りしたのは、08年の藤沢西、藤沢総合(南神奈川大会)、綾瀬(北神奈川大会)以来11年ぶり。記念大会をのぞけば04年に準優勝した神奈川工以来15年ぶりの快挙だ。
準決勝の相手は、昨年の準々決勝で勝利目前までいきながら、1点差で敗れた東海大相模。「そこにも負け続けているので…」と佐相監督。勢いにも乗り、さらなる名門打倒を狙う。