相模原 ノーシード県立校が横浜食った!県公立勢11年ぶり4強
「高校野球神奈川大会・準々決勝、相模原8-6横浜」(25日、横浜スタジアム)
オレンジに染まった三塁側スタンドが歓喜に沸いた。県立の進学校が、ついに名門の壁を破った。相模原が初の4強。横浜の4年連続夏切符を阻む大逆転勝ちだ。佐相真澄監督(60)は「勝っちゃいましたね。60年生きてきてよかった」と少しおどけて笑った。
5点を追う七回。打線がつながり3点を返して横浜のエース・及川を引っ張り出すと、1死満塁から高橋陸外野手(3年)が同点の2点適時二塁打。1点を勝ち越された八回は1死一、二塁と及川を攻め、4番・中野夏生内野手(3年)が4球続いたスライダーを右翼線に運ぶ逆転の2点適時二塁打。一気に相手をのみ込んだ。
及川ら強豪投手陣の速球対策として、150キロ超の打撃マシンを約2メートル手前の16メートルの距離から打ち込み、直球に振り負けなかった。また、昨冬からメンタルトレーニングを導入。試合中も状況を実況しながらプレーに入るなど、自分を客観視することで緊張せずに力を発揮できるようになった。
殊勲の中野は「スライダーが来るんじゃないかなと思って、思い切りスイングした。最高にうれしいです」と破顔した。公立校の4強入りは神奈川では11年ぶり。準決勝の相手は、昨年の北神奈川大会準々決勝で1点差で敗れた東海大相模。「やることは一緒ですね」と指揮官。気負いなく名門連破に挑む。