大船渡 佐々木の登板回避で苦情殺到200件超え 学校乗り込み宣言でパトカー出動
岩手大会の決勝で最速163キロ右腕の大船渡・佐々木朗希投手(3年)が出場せずに敗退したことを受け、学校側に苦情が殺到していることが26日、わかった。この日は全校生徒518人を前に、同校で野球部による準優勝報告会を開催。混乱防止のため岩手・大船渡警察署に巡回強化を要請するなど、学校職員は対応に追われた。
エース・佐々木がグラウンドに立つことなく敗戦となってから一夜明けても、注目度は“高止まり”だ。甲子園まであと1勝まで迫りながら、国保陽平監督(32)は「故障を防ぐため」と大黒柱の“温存”を決断。賛否両論が飛び交った起用法の影響は学校側にまで及んだ。
千葉貢副校長(57)は「きのう(25日)だけで150件。(ほとんどが)『何で(佐々木を)投げさせなかったのか』という問い合わせだった」と苦情の電話が後を絶たないことを明かした。26日朝にも留守電が約50件。「今朝から電話が鳴りっぱなし。回線4つが全部埋まっていましたね」と対応に苦慮している。
4月の侍ジャパン高校代表候補・国際大会対策研修合宿で佐々木が“高校生最速”となる163キロを計測して以来、注目度は高まるばかりだった。フィーバーとなった今春の岩手大会で初戦敗退となったときも、選手の起用法について苦言を呈する内容の連絡が入っていたという。
この日は終業式の前に野球部による準優勝報告会が開催された。苦情の中には学校に乗り込もうとする内容もあったため、安全策として大船渡警察署にパトカーでの周辺の巡回強化を要請。特に混乱は起こらず、主将の千葉宗幸内野手(3年)が「全校生徒の力でつかんだ準優勝だと思います」と応援への感謝を伝えた。
国保監督らの取材対応はなかったが、佐々木も準優勝盾を手に報告会に参加した。欠場の理由として一部で懸念された肩、ひじの不調についても「そういう話は聞いていない」と関係者が否定。故障がない限り、8月末からのU-18W杯(韓国)を戦う侍ジャパン代表に選出される可能性は十分ある。依然として注目の存在であることには変わりない。