習志野 夏20勝!飯塚6連続K 逆転呼んだエースの好救援5回0封
「全国高校野球選手権・1回戦、習志野5-4沖縄尚学」(9日、甲子園球場)
1回戦4試合が行われ、今春センバツで準優勝した習志野(千葉)は延長戦を制して初戦を突破した。プロ注目の飯塚脩人投手(3年)が5回無失点、8奪三振の好救援。同校の夏20勝、県勢春夏通算140勝に貢献した。鳴門(徳島)は藤中壮太内野手(2年)が初回2死満塁から走者一掃の先制二塁打を放つなど10安打10得点で花巻東(岩手)を圧倒した。
エースが逆転劇を呼び込む快投だ。飯塚は同点の六回無死一塁となったところで出番を告げられた。登板直前に味方が失策。「いい流れではなかったので断ち切ろう」。背番号「1」としての責任を胸にさっそうとマウンドへ向かった。
1死一、二塁から右翼へフラフラと上がった打球が落ちた。不運な当たりで満塁とピンチは拡大。「想定外だった」と押し出しを嫌がり、警戒心が緩んだことでフルカウントからスクイズを決められた。
ただ、「粘り強さが自分たちのいいところ」と勝ち越しを許しても崩れなかった。乱れ気味だった制球はイニングを重ねるごとに安定し、「チームを勢い付けるために狙って取ろう」と八回から圧巻の6者連続奪三振。攻撃時のアルプス席からの“美爆音”とともに、この日最速148キロを投げ込んだ右腕の気迫が劣勢を吹き飛ばした。
決勝まで進んだセンバツの経験値が大黒柱としての立ち居振る舞いにつながっている。マウンド上では下級生の多い野手陣に対して守備位置を細かく指示。バッテリーを組む兼子将太朗捕手(3年)も「エースらしさがマウンドさばきにも感じる」と成長を実感する。
先発、救援と役割は試合ごとに変わるが、飯塚は「(試合前の)シートノックから(肩を)作っています」といつでも準備に余念はない。「接戦を制したので勢いが付くと思います」。苦しんだ末の夏の聖地8年ぶり1勝。春には届かなかった頂点へ、たくましくなったエースが導く。